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  3. 残業代ゼロ法案

“残業代ゼロ法案”が難航しているみたいだね。「残業代をなくすとんでもない法案」という見方が大勢だから仕方ないんだろうね。

確かにその側面は強い感じはする。突き詰めれば、働く時間じゃなく働く質で評価しようという法案なんだから。つまり、早く終わればそりゃ最高の法案。でも、頑張っても終われない場合は、地獄の法案ってわけ。

ルール作りをする上で、こういう“穴”ができるとどうしても弱者が騒ぎ立てるからうまくいかない。だから、弱者視点に立たないと必ず紛糾する。ただ、この法案の場合、弱者に迎合することは国力の低下にもつながりかねない側面がある。

じっくり時間をかけても完成することが大事だ、との観点で、残業代もたっぷり払ってたら、いまのグローバル資本主義の浸透市場では生き残れない。同じ品質ならできるだけ早く完成させないと、コストが見合わない。厳しいがそれが現実なんだな。

どうすりゃ、いい形で着地できるのか。まず、仕事が早く終わることにインセンティブを付けることは重要だろうな。つまり、定時より早く終われば終わるほど、早業代が出る仕組みだ。逆に残業したらマイナスになる。残業代は出ないが、早く終われば報償が出る。

その上で、どうしても残業しないと納期に間に合わない場合は、申請すれば残業代を支払うこととする。意図的に残業せざる得ない状況をつくらない様、申請書には必要である根拠を明確に記すようにしておく。

単純だが、これが残業をなくし、仕事を早く終わるようにする仕組みとしてベターじゃないかと思うね。この単純な仕組みを誰も声を大にしないのは、やっぱり、仕事を早く終えるのは大変だと思ってる野郎が多いからなんじゃねぇかな。

やっぱり脳への負荷は大きいからね。一方、残業代は、極端にいえば、ズルズルしてるだけでお金がもらえちゃうんだからね。情けない話だけどね。

そもそも現実的にこの残業代ゼロ法案が、本当に過労死を増長するような極悪なものなのかって考えるとそうは思えんのだよな。だって、成果が出るまで帰っちゃだめだ、なんてことにほんとになるようなら、その会社そもそも機能不全を起こしてるってことでしょ。やっぱり、決められた時間にしっかり仕事を終えて、アフターはキッチリと楽しめるような環境にないと、会社は活力が出てこないだろうからね。

なんだか親が子供のことを過剰に心配するのと同じような感じがするんだよね。この法案に対するザワザワ感は。まずはやってみることが一番だと思うんだけどね。